幼い未亡人
三一書房
鳥居 千代香 訳
「未亡人」は辞書には「もと主人(夫)と共に死ぬべきであるのに死なないことを批判した語。夫に死に別れた婦人」とある。インドでは批判どころではなく、最近まで“サティー”という未亡人殉死の習慣があったほどである。幼児婚は悲惨な未亡人を多く生み出した。本書はインドの作家M.K.インディラが1840年頃に生れ1952年に死んだ“大叔母”について書いたものである。1976年にインドのカルナータカ州公用語カンナダ語で『パニヤマ』という題で出され、インドの文学賞を受賞、映画にもなり大きな評判を得た。本書は『幼い未亡人』と題を変えてインドで出版された英語版を翻訳した。(1993年出版)