インドのコールガール 高級売春婦の生活と世界
新宿書房
鳥居 千代香 訳
本書の元になったハードカバーの地味な本をニューデリーの本屋で見つけた。縮約されたペーパーバックスになると、人目をひく表紙と安い定価、類をみない内容のため、すぐにベストセラーになった。コールガールたちの性の証言は「卑猥罪」にあたると訴えられ、インドでは一時発禁処分になったが、デリー高等裁判所の裁判官は無罪の判決を下した。原著者プロミラ・カプール(Dr. Promilla Kapur)はインドの代表的社会学者。専業のコールガール、人妻、寡婦、女子大生ら150人のコールガールに直接インタビューした。パトロン、マダム、売春宿のおかみ、ぽん引き、男性客にも取材し、生の声が聞ける。「彼女たちの秘密を守るため」の理由で出身地、宗教、カーストなどは明らかにしていない。(1993年出版)