女子刑務所 エジプト政治犯の獄中記

本書はサーダウィの実体験を書いている。1981年にサダト大統領が出した緊急事態措置法により、エジプトの1535人の反政府派とともに逮捕され、同年10月にサダト大統領がイスラム原理主義過激集団「ジハード」に暗殺されたのち、副大統領ムバラクが大統領になっても二カ月間は釈放されず、三カ月間、獄中生活をした。だれかが密かに持ち込んだ眉墨でトイレットペーパーに書き綴った記録を後にまとめて本にした。獄中を図で描いた説明もあり、理解しやすい。「死を恐れないほど抑圧を憎み、投獄を恐れないほど自由を愛し、革命を恐れないほど偽りを拒む、すべての人に私はこの本を捧げる」と献呈の辞がある。（1990年出版）