書籍紹介

Works

あるフェミニストの告白

未来社

ナワル・エル・サーダウィ 著

鳥居 千代香 訳

ナワル・エル・サーダウィがカイロ大学の医学部を卒業し医者になったばかりの25歳のときに書いた最初の作品。医者の仕事をしながら、家庭では妻の役割、母親の役割を果す女性の感じたこと、経験したことを物語っている。最初はエジプトの雑誌に連載され、エジプトとアラブの世界で大きな反響を呼んだ。エジプトの女性に対する二重の搾取、すなわち、一般的・社会的抑圧と結婚制度を通じての個人的抑圧の両方をあばく革命的なフェミニスト・ノベルだとして評価する批評家もいたが、その一方で論争も招き寄せた。若い情熱があふれ、今日にも通じる現実を描いている。(1989年出版)