焼かれる花嫁 インドの結婚
三一書房
鳥居 千代香 訳
本書はインドの若い花嫁にまつわる残酷な事件を取り扱っている。ダウリー(持参金)とし
て、現金、テレビ、車、スクーター、冷蔵庫、家庭用品などを要求され、これらを彼女たち
の親が贈ることができなかったために夫と姑や身内に油をかけられ、焼き殺されたという
事件が頻発していた。フィクションでも誇張でもなく現実のことだった!事件は家のなか
で起るため、単なる自殺や事故で片付けられ罪を問われず、すぐに夫は再婚して新たにダ
ウリーを手に入れる。原書はインドで新聞、雑誌が持参金殺人事件と、これに抗議するデモ
について書き立てている最中に出版された。私は直接、原著者ジャミラ・ヴァルギーズ(
Jamila Verghese)に会って話を聞いてみた。ダウリー事件を扱った最初の本である。(1984
出版)