書籍紹介

Works

インド社会を変えた事件 社会と司法制度の相互関係

柘植書房新社

ピンキー・アナンド / ガウリ・ゴブルドゥン 著

鳥居 千代香 訳

原著者ピンキー・アナンド(Pinky Anand)はインド最高裁判所の弁護士で、彼女が関係した事件がどう社会を変え、事件によっては社会のほうが法律をどう変えたのか書いている。社会問題に関心がある大学生のお嬢さんのガウリ・ゴブルドゥン(Gauri Goburdhun)が書く原動力になった。2012年に23歳の医学生が集団レイプされた事件は世界で報道され、インド中で男女による激しい抗議活動が起った。これを目撃した訳者の私は事件を深く追及したインド人が書いた本の出版を待ち、本原書に出会った。有力なコネや賄賂がきくことも多いインドで、マスコミは、聞いてもらえない人びとの声であり、マスコミや市民が騒ぎ立てることで有罪判決に至る事件も少なくない。本書で扱うどの事件ももっと厳しい法律や法を施行する手順・安全を確保する道を開いた。本書には理解の助けに私がインドで撮った写真や集めた新聞記事などを掲載している。(2021年出版)