書籍紹介

Works

アミーナ

彩流社

ムハンマド・ウマル著

鳥居 千代香 訳

物語の舞台はナイジェリア北部の街。アフリカ随一の産油国であり、鉱物資源も豊富なこの国は、目覚ましい経済発展を遂げているが、権力者の腐敗や無策、広がる格差と深刻な貧困、搾取などの問題も根深い。ことにイスラム圏の女性たちは社会的不平等、一夫多妻、家庭内暴力、性器切除、未成年の母親の問題、文盲等と闘う。二重、三重の抑圧の中でも困難を乗り越え、希望を失わず、確固とした足取りで歩むアミーナの姿は共感を呼ぶ。私が翻訳するきっかけになったのはナイジェリア生まれの原著者ムハンマド・ウマル(Mohammed Umar)氏とロンドンで出会ったことだった。(2010年出版)