ダウリーと闘い続けて インドの女性と結婚持参金
つげ書房新社
鳥居 千代香 訳
1979年にインドの代表的新聞に「犠牲者たちはダウリー(結婚持参金・婚資)を嫁ぎ先から要求され、親が贈ることができず、焼死させられたが、事件は家のなかで起るため目撃者も少なく、証拠不十分で自殺や事故とされ、夫や身内は何の罪も問われない」という記事があった。事実を確かめようとこの記事の記者を訪ねた(そのときの写真他も本書に掲載)。原書は2002年に出版され、翻訳するために翌年にインドの出版社と版権交渉をして、原著者スバドラー・ブタリアー(Subhadra Butalia)の自宅を訪問した。1979年に会った記者と同一人物だった。24年の歳月が経過していて、私は記事のほうに強い衝撃を受け、記者の名前を忘れてしまっていたのだ。彼女は実際に火をつけられ命を落とした隣人の女性を目撃し、ダウリー反対運動をするようになってから84歳で亡くなるまでこの問題に関わっていた。本書はダウリー問題の私たちの「なぜ」という疑問にすべて答えてくれる。(2005年出版)