書籍紹介

Works

インドの女性問題とジェンダー サティー(寡婦殉死)・ダウリー問題・女児問題

明石書店

マラ・セン 著

鳥居 千代香 訳

マラ・セン(Mala Sen)の訳書『インド盗賊の女王 プーラン・デヴィの真実』を1998年に出版したが、彼女の二作目の著書である。副題が示すようにインドで最も重要な三つの問題に焦点を当てている。寡婦の問題も重要な女性問題の1つである。寡婦殉死の問題を中心に扱っているのは日本で本書が初めてだろう。新婚の18歳のループ・カンワールが1987年にラージャスターン州のデオラーラ村で亡き夫と一緒に生きながら焼かれた。当時からデオラーラ村に行きたかったが、私も2003年に行けた。カンワールの婚家やサティーをした跡地を訪ねた。急激な経済成長で豊かになったインドでも女児の人口減少が問題である。どのような家庭でも都市でも農村でも女児は望まれない。理解の助けになればと本書には訳者の私がインドの各所で撮影した関連した写真も多く載せている。(2004年出版)