書籍紹介

Works

ユーゴスラヴィア 民族浄化のためのレイプ

柘植書房新社

べヴェリー・アレン 著

鳥居 千代香 訳

原題 “RAPE WARFARE The Hidden Genocide in Bosnia-Herzegovina and Croatia”。旧ユーゴスラヴィアの戦争という状況のなかで、「民族浄化」(エスニック・クレンジング)は民族的にもともと同種の地域に武力や脅しを使って一定の集団の人びとを地域から一掃することの意味。ユーゴスラヴィアで起った民族浄化を目的としてレイプされた、妊娠させられた、殺された女性たちについて1冊の本となったのは本書が始めてだった。本書を翻訳するにあたり1998年に私は「国連旧ユーゴスラビア戦争犯罪国際法廷」(オランダ・ハーグ)顧問、アメリカのニューヨーク州中部にあるシラキュース大学のべヴェリー・アレン(Dr. Beverly Allen)教授(原著者)に会いに行き話を聞いた。翌年にはクロアチア共和国首都ザグレブに行き、「レイプ・死の強制収容所」に監禁されたが運良く救出されたレイプ被害者やクロアチアの女性団体で戦争のときのことや、女性たちについて話が聞けた。(2001年出版)