マザー・テレサ 最後の愛のことば
明石書店
鳥居 千代香 訳
1997年に亡くなったマザー・テレサは1979年にノーベル平和賞の授賞式で「傷つくまで愛せよ」という言葉を残している。貧しい国々の飢えはパンを与えれば満たされるが、取り除くのが難しいのは西洋(日本も含めて)の貧困であるという。先進国では物質面での豊かさとは裏腹に人と人との信頼感やきずなが希薄になり、精神的貧困が深刻化している。マザー・テレサの亡くなる5日前に亡くなったイギリスのダイアナ元皇太子妃は不幸な結婚に苦しんでいる時にマザーに会い影響を受け、地雷撤廃や社会福祉の活動に力を注ぐようになった。マザーの宗教や人種に関係ない献身は人びとの心を動かした。ジョークがうまく、話はユーモアがあり、おもしろくし親しみやすかった。数知れず賞を受けているが大変に謙虚であった。そして世界中の人びとから愛された。本書はマザー・テレサのスピーチ、インタビュー、コメントや手紙をまとめたものである。(2000年出版)