書籍紹介

Works

インド盗賊の女王 プーラン・デヴィの真実

未来社

マラ・セン 著

鳥居 千代香 訳

原著者はイギリスに在住インド人ジャーナリスト、マラ・セン(Mala Sen)の初めて著作。プーラン・デヴィのように生き残り、自分の体験を話し、人々に衝撃を与え、人々の心を引きつけ、人気がでた女性ダコイト(武装盗賊)はいない。本書はインド社会、底辺の人びと、女たちの現実を知る意味で貴重である。イギリスのテレビ、チャンネル4はプーランの映画製作のためにマラ・センに取材費を出し、シェーカル・カプール監督は映画「盗賊の女王)」を製作した。映画はインドと海外でもヒットしたが、プーランは事実と異なると訴訟を起し、チャンネル4は彼女に示談金を払った。プーランは「カースト制の身分制度と闘う象徴的な女性」「虐げられた人びとの代弁者」として神格化され、世界的にも有名になり、インドで国会議員になったが2001年に暗殺された。マラ・センも病気で亡くなった。巻頭にプーランや思い出の写真を掲載した。(1998年出版)