書籍紹介

Works

インド女性学入門

新水社

鳥居 千代香 著

本書は1992年2月から全国婦人新聞社の「女性ニューズ」に約5年間、連載したものを中心にまとめた。古いしがらみに捕らわれた、未来へ踏み出す、多様性のなかで生きる女たちをとおしてインドの社会と文化を見る。各項目には私(筆者)が各地、各所で撮影した関連ある写真も掲載。インドの女性運動は女性ばかりでなく男性が一緒に行っている。そうした伝統がある。19世紀に寡婦を生きた亡夫と共に焼くサティーの禁止と女子教育に生涯をかけて運動したラーム・モーハン・ローイ、イギリスから独立後1949年に制定されたインド憲法に男女平等の条件を盛り込むことに力を注いだジャワーハルラール・ネルー、女性の社会的役割拡大に貢献したマハートマ・ガンディー他などである。「世界男女格差レポート2020」によればジェンダー不平等に関して言えば、日本のほうがインドより不平等なのである。
(2018年出版)